【韓国高校交換留学を回想する前に】この1年間ずっと私を苛んできたことについて。
まただ。
一度こうなったら最後、向こう2~3週間は何もする気になれないことを、私はよく知っている。
“なんで、このタイミングなんだろう”
“なんで、私なんだろう”
この1年間、時と場合を構わずふわっと浮かんでは幾度となく私の頭を支配したそんな思いが、今日も私を苛む。
韓国の高校に交換留学するチャンスを、全国でたった1枠だけだったそのチャンスを、私に掴ませてくれたもの。
留学を思い立った瞬間、片っ端から調べ上げて資料請求し、親を説得した、行動力。
5ばかりが並んだ、中学時代の通知表。
各種課外活動や学級委員、生徒会役員の経験。
締切直前まで寝る間を惜しんで推敲し、限られた文字数に溢れんばかりの思いを詰め込んだ、課題作文。
時には泣きながら勉強して臨んだ、英語の試験。
今までのどんな面接よりも、自信をもってハッキリと意志を伝えられた、面接。
今でも鮮明に覚えている。
“第1希望の韓国への派遣が決まった”と連絡を受けた、あのとき、東京駅のホームにいたバイト帰りの私は、人目も気にせず涙を流した。
それまで、自分と周囲との間に境界線を画し、壁を隔て、虚しさを感じさせる対象でしかなかったものに、初めて価値を見出せた瞬間だった。
人生で初めて、100%自分の意志で挑戦し、100%自分の力で掴み取った、大きな意味のあるチャンスだった。
だから、悔しかった。
だから、悲しかった。
だから、苦しかった。
私は私の全てをかけて臨んだのに。
私が私の力で漸く掴み取った1枠だったのに。
それなのに、なんで。
もし、こういう状況になっていなかったら。
もし、こういう状況になっていなかったら、もっと登校して授業を受けられたはずなのに。
もし、こういう状況になっていなかったら、もっと友達と遊んで親しくなれたはずなのに。
もし、こういう状況になっていなかったら、もっと色々なところに行けたはずなのに。
もし、こういう状況になっていなかったら、もっと色々な人と関われたはずなのに。
もし、こういう状況になっていなかったら、もっと色々なことを経験できたはずなのに。
もし、こういう状況になっていなかったら、
こんな思いをしなくて良かったはずなのに。